子どものころ読んでいた
尼子騒兵衛「落第忍者 乱太郎」で、
逃げている乱太郎たちを
追う敵の忍者に執念があった。
まずは、手裏剣を投げる。
「何のこれしき」と交わされる。
次に、撒菱(まきびし)を捲く。
足袋が厚く、「何のこれしき」と
撒菱の上を進んでくる。
あと一つか二つの攻めも、
効果むなしく、という展開だったが、
この敵の忍者の「何のこれしき」に、
注目したい。
手裏剣や撒菱などの窮地をもろともせず、
自らを奮い立たせるような言葉である。
日々にちょっとした課題は付きものだが、
「何のこれしき」と思ったら、
少し気持ちが楽になりそうだ。